イチゴと聞くと甘酸っぱい
と言った事を思い浮かべるかもしれない
けれど僕には苦くて苦くてたまらない
彼女と出会ったのは
家族でいちご狩りに来ていた時だった
僕は四十(しじゅう)にもなって
一目惚れをしてしまった
僕はその後もあの子のことが忘れられず
あの子のことだけを考える日々に嫌気をさして
妻は子供を連れて出ていってしまった
僕はフリーになったのだ一念発起(いちねんほっき)して
彼女が務めるいちご農家に追いかけるように就職をした
けれど彼女は結婚をして子供もできていた
だが、この気持ちを忘れられずにいたが
イチゴのジャムを作っているときだけは色々な事を忘れられた