ソニアのセリフ集

セリフの一人称、語尾、など改変OKです。アドリブも自由に読んでください。 使用の際の連絡は不要です。MOJIBANでの文字起こしもOKですが、動画や配信で使用の際はURLを明記をお願いします。また連絡をしていただけると時間が合えば見に行きます 自作発言はお控えください。

「あの子のいない縁側へ」

あの子はもうここに来ないと分かっていても
戻って来ては鳴いてみるが返事があるはずもない
数日がたった頃、もぬけの殻だったいつもの縁側が
騒がしかった
黒い服を着た人間が忙しそうに動き回っていた
もしかしてあの子が帰ってきたのかも
そんな事を想い縁側に入ってみた
「きゃー!!く、黒猫よ」と言われて振り向くと
大きな人間が腰を抜かしていた
なにをそんな驚くことがある
お前達だって真っ黒ではないかと
ふいに笑けてしまった
けれど周りの人間の目は冷たく凍りつくようだった
思わず武者震いを起こすと先程の人間が
なぜだかお経を唱えている
「なんまんだぶなんまんだぶ」と
そんなことをされてもなんてこともない
やはりここはおかしい早くあの子を連れ出さないと
優しいあの子がおかしくなってしまう
中に入ると、色んなところから悲鳴が聞こえた
構うものかと足取り早く探していると
あの子を見つけた
けれどいつもの茶色や緑の格好ではなく
真っ白な服を着ていた
やっと会えたと鳴いてみるが返事がない
やはり僕のことが嫌いになってしまったのだと
うなだれていると身体がふわっと浮かび上がり
外に捨てられてしまった
慌てて中に入れてくれるように鳴いてみるが返事がない
仕方なくその場を後にした
その後あの子を見かけたのはあれが最後だった
※「縁側」の後日談